2006年09月11日

諸々の勇気

 勇気、というのは大切なものだと思うのです。

 職場で、色々なお仕事を任せていただけるようになりました。
 それは嬉しいことなのですが、最近は職場全体が慌しく、上の方も自分のお仕事で忙しいため、仕事量とスケジュールをいまひとつ管理しきれていない様子なのです。
 ぎりぎりの締め切りで渡される作業が多くなってきました。

 頑張ってこなせばなんとかなってしまうのですが、他の業務を差し置いて目先にある急ぎの課題を優先して消化し続けていった結果、机の上は整頓とは程遠い阿鼻叫喚の状態に。
 ひとつひとつの作業に費やせる時間が限られているため、お仕事の質も満足のいくものばかりではなくなっている気がします。

 そのように思っていたところ、上の方から新しい課題を渡されました。

「この資料から、この形式の書類を作成してください。明日までに、できますか?」
「明日までに」

 資料に含まれる情報の量と内容を検分しました。
 午後に入ってからの依頼でした。事前申請なしの残業及び作業の持ち帰りは禁止事項ですので、作業に使えるのはあと数時間。加えて、他にも抱えている業務があります。
 この量のデータをそれだけの時間で入力するのは不可能です。
 ここはきっぱり、正直なところをお伝えするのが誠実な態度であろうと考えました。
 無理なことは無理と言う勇気。

「無理ですね」
「無理」
「やってはみますが、明日までというのは難しいと思います。確実な完成をお約束することはできません」

 そうお伝えすると、上の方はすこし考えて。
「そうですか。……では、できるところまでの入力をお願いします。間に合いそうになければ、あとは僕が残って入力します」
「え?」

 確かに、上の方は事後申請での残業が可能なのですが。
 ですが、確か。

「……あの、奥様が妊娠中で臨月で、確か今日辺りが予定日だと仰っておられましたよね?」
「うん」
「はじめてのお子様ですよね?産まれるときには是が非でも付き添いたいですよね?」
「いやー」
「残業している場合ではないのでは」
「といってもこの書類、明日の朝からの打ち合わせで使うものだから、用意しない訳にはいかないし」
「………」

 職場でご家族のお話をされることは殆どないひとなのですが、昨日辺りからそわそわと携帯電話を気にして、休み時間には電話をかけに行っていらした様子を目撃しています。
 奥様やお子様のことが気になっておられないはずはないのです。

 それがお仕事のせいでご出産に立ち会えないなんてこと、万が一にもあってはなりません。

「……わかりました!なんとかします!あと、アルバイトさんをお借りしても構いませんね!」
 無理そうな締め切りにも挑戦してみる勇気。

 ひとと話すのが苦手なので、意思疎通に時間を費やすよりは全ての作業を自分で片付けてしまったほうが早く、がためにひとに作業を手伝っていただくことは殆どなかった私なのですが、この際そんなことは言っていられません。
 作業の分担をお願いする勇気。

 必要な作業の内容をざっと分析し、分担可能な箇所を分割し、アルバイトさんに作業内容を説明。
 資料をアルバイトさんにお渡しして、自分の担当分に移ります。
 必要な情報を抽出し、ひたすら入力。
 アルバイトさんから戻ってきた書類を校正、また入力。黙々と入力。
 他の業務は全て差し止め、後回し。優先順位を明確に。

 どうにか終業時間までに、依頼の書類を揃えることができました。
 上の方からも後日、無事お子様が生まれたとご報告いただきました。
 どうやらつつがなくお産に立ちあうことができたようです。
 ほんとうにおめでたいことです。
 心から嬉しく感じました。頑張った甲斐がありました。

 極度に集中して入力作業を行ったためか、どうもあれ以来背中が痛んでならないのは、まあ、ご愛嬌です。
 ストレッチをするなりなんなりしてほぐしましょう。

 やっぱりすこし無理をしてしまったのだと思います。
 だけれど、今回はすこしくらいなら無理をしても良い場面であったと思うのです。
 自分の判断をいささかも悔いてはおりません。

 でももし次回同じような締め切りを設定されたら、そのときはきっと断ろうと思います。無理なことは無理と言う勇気。
posted by にくす at 23:10| Comment(2) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月31日

夏の終わり

 朝晩は随分と、涼しく感じるようになりました。

 今朝はとても空がきれいで。
 出勤前に見上げれば、すうっと広がるうろこ雲。
 空気がこれまでより透き通っていて、なんだか空が高くなったようで。

 ああ、もう秋なのだなあ。
 そう、思いました。

 そのような感想を抱きつつ職場に着き、月末提出書類の処理に追われつつ突発的な業務もこなしつつ、慌しい一日を過ごしました。
 かつては夏休みの宿題は七月中に概ね片付ける学生だったのですが、相手のいる業務はそうもいきません。
 必須の入力をどうにか無事に済ませて、ほっと一息。
 これで八月も終わりかと、あらためて噛み締めました。
 それはそのまま夏の終わりを実感させる事項で。
 学生時代のように長い夏休みは取れなくなった今でも、八月三十一日というのはなんだか特別な日のように感じられて。

 もう夏も終わりなのだと、空気が示しているようで。

 今年は泳ぎ損ねてしまいました。
 それがすこし、心残りです。

 秋も冬も春も夏も、全て大好きな季節なのですが。
 ひとつの季節が終わればすぐに、新たな楽しみがあるはずなのですが。
 そんなことは充分に理解しているつもりなのですが、それなのに。

 季節の終わりはいつも、どこか寂しく思われます。
posted by にくす at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月06日

記憶の果て

 ふと、忘れていたことを思い出すことがあります。

 生まれてあまり間がない頃に、顔を拭ってもらったガーゼのこと。その縁が、桃色の糸でかがられていたこと。
 幼稚園の雨樋の下に、丸石が敷き詰められていたこと。ひとつひとつの石は同じようでいてそれぞれ違うもので、それはとても不思議なことだと思ったこと。
 お砂場に、蟹を象ったプラスチックのふるいがあったこと。
 粘土をどうしていいのかわからず、いつもいつも同じ形の花ばかり作る、創造性に乏しい子供であったこと。そして、それを自分でも気に病んでいたこと。
 小学校。体育の時間が嫌いであったこと。運動場の砂とかさかさの膝を見つめて俯いて座り込んでいたこと。
 どれもほんとうに些細なこと。
 何かの拍子でこういうことが驚く程鮮明に思い返されて、戸惑うことがあります。

 それなのに、つい最近のことが思い出せません。

 昨日私はあの書類をどこに提出したのかということ。郵送したのかFAXで送ったのか、それとも該当部課を訪れた際に手渡したのかあるいはうっかり手元のファイルに混ぜてしまったのかということ。
 さっきまで電話に出ていたのはどなたであったのかということ。このあと伺った件を伝達するにあたり、担当者として誰の名前を挙げればよいのかということ。
 あの稟議は現在どこまで承認を通した状態であったのかということ。
 今目の前におられるこの方は、いったいどなたなのかということ。
 どれもそれなりに重要なこと。
 何かの拍子にこういうことを驚く程さっくり忘れてしまい、戸惑うことがあります。

 脳内の記憶領域の使い方を間違えているような気がしてなりません。
 できれば生きていくのに必要な情報から、優先的に保管するようにしたいのですが。

 対策としてメモをこまめにとるようにしたら、机の上がメモだらけになりました。
 見た目はよろしくありませんが、随時この大量のメモを参照することで問題は概ね解決。
 差し当たりはこの方式で対応していきたいと思います。
 あとは、ひとの顔と名前を覚えられない不具合をどうするか。

 似顔絵の練習を検討中です。
posted by にくす at 22:05| Comment(0) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月19日

謎の紙袋

 今月の13日と14日午前中は、所用につきお休みをいただきました。

 で、14日の午後に出勤してみると、机の上には1日半分の空白を示すかのようにあれこれの書類や回覧物、更に見慣れぬ紙袋までが積まれています。
 思いのほか仕事が溜まったなあと感心し、とりあえず簡単に処理できるものから片付けていくことにしました。

 書類をあらかた片付けたところで、紙袋のほうに手をかけます。
 てっきり中身は資料の類だと思っていたのですが、持ち上げてみると存外軽い手応え。
 開けてみると、リボンや紙で可愛らしい包装を施された箱がいくつか出てきました。

 あれ?

 慌てて付箋に目をやると、同室の職員さんからのメッセージ。
 そういえば今日はホワイトデーでした。
 バレンタインのお礼にと、わざわざ各自であれこれ用意して、まとめて机の上に置いておいてくださったようです。

 そんなこととは全く気付かず、送り主の方が見ている前で完全に紙袋を無視した状態で仕事をはじめ、出勤から結構な時間贈り物を放置してしまいました。
 わたわたしながら、とりあえずお礼を言って廻った次第です。

 家に帰ってから包みを開けてみると、ミルフィーユの詰め合わせやらテディベアと紅茶のセットやら、かわいいものが色々と。
 差し上げたものよりいいものが返ってきてしまったという事実に少し申し訳なさも感じましたが、ともあれ大変嬉しく覚えました。
 良いホワイトデーでした。

 で、その後は仕事の処理に追われていたので更新が止まっていたという次第です。
 年度末はどうしてもすこしばたばたします。
 しかしながら諸々お気遣いいただいた職員さんのためにも、ここは頑張って業務を遂行していきたい所存です。

 勤労意欲の促進のためにも、ホワイトデーは有効な行事なのかもしれません。
posted by にくす at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月15日

バレンタインの余慶

 昨日はバレンタインデーでした。

 それに伴い私の職場でも、女子職員がまとめてチョコレートを用意し、日頃の感謝を込めてお渡しすることにしました。
 朝方ロッカーに行きますと、先輩方が紙袋を前にお話中。

「おはようございます。あら、それは」
「ええ、例のものです」
 見せていただくと、中には色とりどりのラッピングを施されたお菓子たち。
「あらあらあら、わあ、可愛いのを選ばれましたね」
「で、どのようにお渡しするかなんですが」
「はい」
「相談したんですが、やはりこれは最もお若い方の仕事であろうと」
「はい?」

 先輩は笑顔で私に紙袋を渡し、
「よろしくおねがいします」
「……はい」

 きっとひとみしりがちの私が少しでも上の方に馴染めるようにと、先輩なりに気を廻してくださったのでしょう。優しい先輩が気まずい仕事を押し付けることなんて断じてありませんとも。

 ともあれ紙袋を持って、男子職員さんの机を巡回。
「失礼します、バレンタインおめでとうございます。よろしければ、これを」
「え?ああ!これはこれは、わざわざ」
「女子職員一同より、日頃の感謝を込めまして。今後とも宜しくお願い致します」
「いえいえこちらこそ。ありがとう」

 正直義理のみのバレンタインデーなど面倒なだけのものだと思っていたのですが、思いの外皆様に喜んでいただけまして。
 お菓子を渡した相手から嬉しそうな顔でありがとうと仰っていただくのは、それなりに心暖まることでした。

 一通り配り終えた後、先輩の席に戻ります。
「皆さんにお渡ししてきました」
「そうですか、じゃあこれ」
 言って先輩は机の中から小さな紙包みを出してこられました。
「?」
「ささやかですが、私からです」
「え、ええ!私にですか!?」
「小さいもので申し訳ないのですが」
「いえいえ、そんな!わあ、嬉しいです!ありがとうございます!」

 もしかして先日の発言を「私もチョコレートが欲しいです」というように解釈されたのでしょうか。そんなつもりではなかったのですが。
 ともあれ嬉しい驚きでした。どう考えても義理チョコには違いありませんが、それでも嬉しいものは嬉しいのです。
 戴いたチョコレートは、おいしくいただきました。

 バレンタインデーのお話をもうひとつ。
 いつもお世話になっているのですから、父にも何かあげるべきかしらと考えました。
 しかし何かを作ったり可愛いものを買いに行ったりする時間的余裕は既にありません。
 その上うちの妹と母はいずれも凝り性。私があげなくとも、父の手元は毎年お菓子だらけになるのが通例です。加えて父はあまり甘いものが好きではありません。
 ここは何かあげるにしてもあまり大袈裟でない、ちょっと笑えるくらいのもので充分でしょうと判断しました。

 そこで仕事帰りに「ブラックサンダー・黒い雷神」なる駄菓子を購入。
「つまらないものですが」
 と父に渡して、日頃の感謝を伝えたのです。

 そうしたら先程父が部屋に来訪。
「食べなさい」
 と、モロゾフのチョコレートボックスを渡されてしまいました。
 開けてみれば、ガナッシュにトリュフにプラリネと色とりどりのお菓子が宝石箱のように綺麗に詰めあわされています。とても可愛らしく、おいしそう。
 わあ嬉しい。

 ではなくて。
 駄菓子のお礼としてこの綺麗なお菓子はいかにも不釣合いですし、ホワイトデーにはまだ早い気がします。
 そもそもこれはどなたかからの戴きものでしょうに、全部私が貰ってしまって構わないのでしょうか。一つくらいは味見すればよろしいのに。
 というかこの場合、私はホワイトデーにも父に何か差し上げなければならないのでしょうか。

 ともあれ、そんなこんなで。
 今年も色々とお菓子を戴きまして、良いバレンタインデーを過ごすことができました。
 よかったです。

 ひととのかかわりがあると、イベントも面白いものですね。
posted by にくす at 22:59| Comment(0) | TrackBack(1) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月10日

職場のバレンタイン

 職場にて、バレンタインをどうするかというお話になりました。

「やっぱり日頃の感謝を込めて、同室の職員さんくらいには何かしたいかな、と思うんですよ」
「まあ、女子職員でお金を出し合って一つずつ、くらいならいいかもしれませんね」
「で、あげるなら他課の方はどうするのか、という問題が」
「ああ。**さんとかはよくこの部屋にも来られますしね」
「だけれどどこかで線を引かないと、きりがないんですよね。交流のある課全ての職員さんに配るのは不可能ですし、あげる方とあげない方がいるというのも角が立つ気がしますし」
「うーん。やはり同室の方のみに絞って、他の課は他の課でお任せするというのが現実的ではないでしょうか」
「そうですね。で、予算はどうしましょう」
「ああ、高いものは無理ですし、かといってあまりに安っぽいものを贈るのも」
「そうなんですよ。特に上の方は、普段から美味しいものを食べていらっしゃるでしょうし」
「難しいですねえ」

 仕事の義理が絡んでくると、バレンタインというのもなかなかに頭の痛い行事になるようです。

 ああでもないこうでもないと相談するうち、ふと聞かれました。
「前の職場ではバレンタイン、どうなさっていたんですか?」
「あ、女性ばかりの職場でしたので、こういう風に悩むことはなかったです」
「へえ」
「去年は……確か、職場では2個」
「あげたんですか?」
「いただきました」

「え?」

 きょとん、とされてしまいました。
 とりあえず弁明。

「残念ながら、両方義理チョコでした」
「ああ。……ええ?」

 余計に先輩を混乱させる結果に終わりました。

 職場によって、バレンタインのありかたも様々のようです。
posted by にくす at 16:21| Comment(2) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月19日

集中力の弊害

 職場で、ちょっと大掛かりな資料作成を任せていただきました。
 はりきって情報収集、整理、入力をこなしています。

 私は結構何にでも嵌る性質です。
 で、頭の性能があまりよくないもので、一旦何かに集中してしまうと他のことがお留守になりがちなのです。
 具体的には食べるのを忘れたり、金平糖しか食べなくなったり、表情が乏しくなったり、黙って考え込んでいるか憑かれたように喋り続けるかのどちらか(中間がない)という状態になったり、生命維持に必要なことをやり忘れてうっかり死にかけたりします。

 しかしここは職場で、私はこの課で一番の下っ端です。資料作成に没頭するばかりでなく、並行して雑用もこなしていく必要があります。
 幸い直属の先輩が非常によくできた方で、適切な指示を出して適宜補助もしてくださるので、作業をはじめて以降も大きな失敗はせずに済んでいました。
 本当に些細な、あることを除いては。

 私の机は外線の近くにあるため、上司への電話をお取り次ぎすることもままあります。
 電話が鳴ったので、取って相手の名前を聞いて、呼ばれた方にお取次ぎ。
「すみません、**のイシダさんという方からお電話です」
「イシダさん……誰だろう?」
 お取次ぎして暫く話され、電話を切られた後に。
「ニシダさんだったよ」
「あ、すみません。聞き違えたようです」

 また電話。
「サカネさんという方からお電話です」
「サカネさん?」
「サカエさん、かもしれません」
「サカエさんねえ……」
 電話を切られた後に。
「タカセさんだったよ」
「微妙に違いましたね」

 またまた電話。そろそろ私も自信をなくしかけています。
「カワセさんか、カワベさんか、なんかそんな感じの方からお電話です」
「そんな感じの方かあ」
 電話を切られた後に。
「ヤマネさんだったよ」
「一文字も合ってませんでしたね」

「ナカガワさんという方からお電話だと思います」
 電話を切られた後に。
「……どなたからでした?」
「……ワカヤマさん」
「ああっ!もう、本当にすみません!」

 おそらく。
 電話が鳴る→認識、電話を取る→自分の所属を名乗る→相手が名乗る→取り次いで欲しい相手の名前を言う、というプロセスの中で、「自分の所属を名乗る」までの段階は、慣れてしまえば特に思考を介さずに行える作業なのです。
 ですので名乗っている間、まだ私の脳はちゃんと動いていません。直前にやっていた作業を処理している状態です。そしてその処理から完全に電話の方に意識を切り替えるまでには時差があるので、相手の名前を聞きながらも、その情報が巧く処理されていないのではないかと思うのです。よく聞こえなかった音を勝手に補完してしまったり、所属、名前の順で名乗られると復唱する時には所属を忘れてしまったり。
 その結果、相手が何を言っているのかわからなくなってしまうのではないかと。

 お取次ぎの際お名前が間違っていても、事前に「間違っている可能性がある」ことを言外に伝えることができていれば、通常然程大きな問題にはなりません。
 ですが正しくお名前を伝えるというのはとても簡単なことのはずです。
 その簡単なことができない人間に、難しい仕事を任せていただけるはずがありません。
 ちゃんと仕事ができる人になりたければ、ここにいる方達のお役に立ちたければ、なんとしても簡単な仕事を正確にこなせる技能を身に付けなければなるまいと思うのです。

 学生の頃は、何かに集中すると他が疎かになる自分の性質を「ある意味幸福なもの」だと捉えていた部分がありました。
 自分の能力は限られているから、人より優れたことをやろうと思ったら、他のことは考えずに集中するしかない。
 そうすることでまがりなりにも何かを作ることができるなら、それだけ夢中になれるものがあるのなら、それはきっとすばらしいことだ。

 今はその上を目指したいと思っています。
 集中するのは自分の力の範囲内。それで作り出せるものも自分の力の範囲内。ならば、ちょっと頑張れば「集中を持続させつつ他のことを並行して行う」技能を身に付け、自分の行動に組み込むこともできるのではないでしょうか。
 何かに集中すると他が疎かになるのは、能力がないからです。
 全力を注いで何かを作りながら、更に雑用や些事にも充分に気を配れる人のことこそを有能と呼ぶのです。

 もう少し自分に能力があれば、そしてバランス良くその力を使うことができれば、身の回り全ての事象に満遍なく興味、関心、注意を向けることもできるでしょう。
 そうなれば世界はきっと今より広く、豊かなものにみえるでしょう。
 そして、それはもしかしたら程度によっては努力次第で実現可能なことかもしれないと思うのです。

 有能なひとになりたいと思います。
 天才と呼ばれることより、普通のことを普通にやって人に迷惑をかけないで、なおかつちょっと便利だと認識してもらえることこそを望みます。
 多分、そちらの方が遥かに難しいことなのですが。

 とりあえずの目標は、「ちゃんと電話を取れる子に」。
posted by にくす at 00:06| Comment(4) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月19日

前任者の遺産

 再び前任者のお話を。

 職場の机の引き出しを開けて作業をしていると、何か引っかかるような手ごたえがありました。
 どうやら引き出しの裏側に何かが入り込んでいるようです。
 手を突っ込んでみたら固い手ごたえ。表面はざらざらとして石のようですが、それよりもずっと軽いものです。触れたところから表面が砂のように崩れる感じがあったので、かなり脆い物質のよう。
 一体何かしらと思いながら取り出してみました。

 パンでした。

 一緒に発見された包装袋によりますと、このパンの賞味期限は半年以上前。
 かちかちに乾燥しきったかじりかけのパンを眺めて類推するに、前任者が食べかけのおやつであるところのパンを引き出しに入れ、それが引き出しの裏に落ちてしまい、そのまま放置されて今に至ったものとみられます。

 感想。
・パンというのはこんなに固くなるものなのか
・前任者はきっとおおらかな人であったのでしょう
・クリームパンじゃなくて本当によかった
posted by にくす at 17:31| Comment(0) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月18日

前任者の痕跡

 仕事用の書類を作る際には、あまり普段の生活で使わない単語を使うようなことがままあります。
 頻用する単語は簡単に変換できるようにしようと思い、職場のパソコンの辞書ツールを開いてみました。
 そこに既に登録されていた単語。

いい→(・∀・)イイ!!
うまー→(゚Д゚)ウマー
きもい→ ( ; ´Д`)キモイヨー
きたー→ キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
きょろきょろ→(゚д゚;三;゚д゚)
ごるぁ→(,゚Д゚;)ゴルァ
しょぼん→(´・ω・`)
なかま→(・∀・)人(・∀・)
はぁはぁ→ (´Д`;)ハァハァ
わくてか→ワクワクテカテカ (O。・∀・)

 その他顔文字がたくさん。

 ……前任者は一体、このパソコンで何を書いていたのでしょう。
 謎は深まる一方です。
posted by にくす at 15:07| Comment(2) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月31日

夏休みの終わり

 今日は8月31日です。
 だというのに、妹が未だに宿題をやっていました。

「まだ宿題やってるの?」
 問うと、妹はなぜか自信に満ちた笑みを浮かべ。
「だって宿題なんて、1日あれば充分終わるでしょう?」
 洒落た答えだと思ったので、笑顔でこう返しました。
「そうねえ。まあ、夏休み初日に宿題を終わらせるのは基本よね」
「……うー」

 因みに妹が書いていたのは「夏休みの計画表」でした。今更何を計画するというのでしょう。
 学生さんは大変です。
 それに引き換え私は無職、いわば毎日が日曜日。気楽なものだと構えていたら

 就職しました。

 しかも明日から勤務開始です。
 さようなら、夏休み。
posted by にくす at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月27日

出会い系サイトのサクラ

 就業意欲が湧いたので、早速目に付いたアルバイトの広告に応募してみました。
 面接。

「ではまず業務内容を説明します」
「はい」
「データ入力ということですが、具体的には当社の出会い系サイトで男性ユーザーに対してメールを送っていただきます」
「出会い系サイトで」
「まあいわゆるサクラですね。このような内容ですが、大丈夫でしょうか?」
 五秒ほど考えまして。
「すみません、今回の応募はなかったことに」

 面接終了。
 履歴書を返して戴き、おうちに帰りました。

 広告を見たとき、「データ入力オペレーター募集」とあるだけで具体的な仕事内容がぼかされていること、待遇と妙に遅い勤務時間帯などからもしかしたらそういう仕事かもしれないと思わなかったわけではないのですが。
 しかしその会社のサイトでは出会い系サイトの運営に一切触れておらず、ネットで調べた限りでは新規事業に精力的に取り組んでいて業績も伸びている企業のようでしたので、安心して働ける良いお仕事かもしれないと思って受けにいってみたのです。
 そして、実は説明を受けた後もこの仕事は然程悪いお仕事でもないように思えたのです。
 だから悩みました。五秒ほど。

 文章を書くのは好きです。
 相手が「この人に会いたい」と思ってくださるような魅力ある文章を書き、報酬を得るというのはやりがいのあるお仕事なのではないでしょうか。
 こちらがサクラであると気付かせないくらい巧妙な文章を書いて、出会うことなく、相手を失望させることもなくやりとりを終えられるなら。相手に少し切ない思い出としてやりとりの記憶を残せるなら。
 それは立派に夢を売る職業になりうるのではないでしょうか。

 しかし、相手の方は夢を買うためにお金を出すわけではないでしょう。
 出会いを求めている方に出会うことなく、なおかつがっかりさせないだけの技術が自分にあるだろうかと考えました。
 騙されたという感情に繋がらないほどの精緻な嘘を紡ぐことができるだろうか、と。

 そして、それは難しいだろうと思いました。
 相手をがっかりさせるための文章は書きたくありません。
 相手をがっかりさせないだけの嘘をつく自信はありません。
 誰かをがっかりさせてお金を戴くのはよくないことです。
 それに私は現在特にお金に困っているわけでもありません。

 以上のことを五秒ほどで考え、今回のお仕事は辞退させていただきました。
 面白そうだとは思ったのですが。

 ちなみに。
 ちらりと拝見した職場では、綺麗な方ばかりがずらり並んで仕事をされていました。あれが皆サクラの方なら、騙されてみるのもそう悪くはないかもしれません。
 なかでも一人、はっと息を呑むほど綺麗な方がいまして。ゆるく波打った髪を茶色に染め、遠目にもわかるくらい長い睫毛と繊細なつくりの鼻梁を持ち、仕草もどこか優雅だったその人は非常に中性的な美貌の持ち主でしたが多分男性です。
 あの人もサクラの一人だったのでしょうか。
 だとしたら一体どんな文章を書いていたのでしょうか。

 一度考え出すとどうにも色々なことが気になって、少しだけ知らない世界を覗いてみる機会を逸したことが残念にも思えます。
 それになんだかんだ言って、美人の多い職場というのは魅力的でした。
 いえ、もちろんそれだけでお仕事を選ぶ訳にはいかないのですが。

 就職活動は意外と面白いです。
posted by にくす at 02:57| Comment(0) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月23日

自己紹介の衝撃

 保護者の確保に成功し、泳ぎに行ってきました。
 その際事前に、乗り物の都合で私の知らない方も一緒に行くと伝えられまして。基本的に人と話すのは苦手な性格なので少し躊躇しましたが、行った先ではどのみちひたすら水と遊び続けるのですから人と話す場面はあまりないでしょうと考え、気に留めず支度をしました。
 同年代から一回り上と見える層まで様々な年齢層を含む団体に混ざり、いざ水辺へ。

 ところが行った先では折悪しく雷注意報が発令されていて、水に入ること叶わず。
 仕方がないので同行の方々と話して時間を過ごすことになりました。人見知りをする人間にとっては結構辛い状況です。
 とりあえず初対面の方々の自己紹介を聞くことに。

「校長です」
「教諭です」
「建設会社社長です」
「漢方薬局店長です」
「歯科医です」
「銀行員です」
「弁護士です」
「設計士です」
「新聞記者です」

 思いの外多彩な職業の方が揃っていました。
 一回りして私の番。
「……無職です」

 働こう。
 しみじみ、そう思いました。

 幸い、良いウイスキーを振舞っていただけまして。
 お酒が入れば色々なものが麻痺してある意味無敵の私です。酒精の力を借りてではありますが、色々な職業の方から大変興味深い話を聞くことができました。
 泳げなかったのは残念ですが、同年代の方の充実した仕事ぶりやそれぞれの仕事の面白さなどが伺えて、楽しい一日でありました。

 就業意欲も高まりました。
 働いている人は楽しそうに見えました。
 彼らに混じってみたいと思えたのです。

 そろそろ外に出るのも面白いかもしれないな、と思えたのです。
posted by にくす at 04:21| Comment(2) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月22日

夏休みの延長

 就職試験を受けました。
 また落ちました。
 一人反省会開催。自問自答。

 問題:今回の試験前日、私は何をしていましたか

 回答:銀河英雄伝説全巻一気読み

 自分は過去の失敗から学ぶことをしない人間だという事が解りました。
posted by にくす at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月09日

それぞれのさようなら

 今の仕事の契約が6月一杯で切れ、退職することになりました。
 同僚の皆様にご報告。

 同僚Aさんの場合:
「今月末で契約が切れることになりました」
 しばし絶句の後、
「そう、ですか……ええ、そんなあ、寂しい……寂しくなります」
 うっすら涙ぐみながらそんな風に言ってくれました。
 いい人です。

 同僚Bさんの場合:
「今月末で契約が切れることになりました」
「ええっ!ていうことは7月からは別の人が入るんですか。ただでさえ忙しくなる時期だというのに、新人さんの教育をやりながらの勤務になるのか!うわあ!やってらんねえ!」
「……なんか、すみません」
 現実に即した考え方ができる人だと思いました。
 こんな人がいるなら、この職場は安心です。

 同僚Cさんの場合:
「今月末で契約が(略)」
「そうなんだ……次の仕事は?」
「これから探すところです」
「そうかあ」
「何かいい仕事があるといいんですが」
 そう言うと彼女はしばらく考えた後、
「ええとね、私の経験から言わせてもらうとね、飴工場はやめた方がいいと思う。単純作業で頭がおかしくなりそうだった。甘い匂いで気持ち悪くなるし」
「そうなんですか」
「良かったのは選挙開票のアルバイトかなあ。でもあれは定職じゃないしなあ」
「そろそろ定職を探した方がいいかな、とも思っているんですが」
「あ、でもね、**(結構大きな企業)に正社員で入っていたことがあるんだけれど、あんまり良くなかった。変な決まりは多いし、挨拶ひとつから厳しくチェックされて怒鳴られるし」
「はあ」
「あとね、人材派遣会社にいたこともあるんだけれど、そこでの感じだと」
「あの、さっきから伺っているととても興味深い経歴なのですが」
「そうね、これまでにも結構色々やってるよ」
「……同年代、ですよね?」
「ええー!何言ってるの!違うよお!?」
 童顔と立居振舞の印象でてっきり同年代だと思い込んでいた同僚が、実は自分よりも随分年上だったことが判明しました。知らなかったとはいえ、これまでの非礼に恥じ入るばかり。
 こんなに可愛い年上もいるのだなあと感心しました。
 こんな風に歳を取れるのなら、多少職を転々とするのも悪くはないかなと思いました。

 同僚Dさんの場合:
「今月(略)」
「はー」
「次来る人が、使える人であることを祈ってますね」
「いや、使えるかどうかはどうでもいいな」
「そう?」
「それより重要なのは、新しく来る人が可愛いのかどうかだ」
 それは確かにとても重要なことですね。
 なんだかあなたのことは他人とは思えませんよ。
 あなたと別れるのは本当に残念です。

 いい職場でした。
posted by にくす at 23:25| Comment(3) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月11日

納得の結果

 試験を受けました。
 落ちました。

 原因を検証しました。
 試験前日、私はどのように過ごしていたでしょうか。

>ついつい購入してしまいました。ウエディングドレスを。

 納得の結果です。
posted by にくす at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | おしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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