2006年09月17日

恐怖の解答

 こわいものが苦手です。

 というと、私を知る方々には「その割には妖怪に詳しいよね」「猟奇事件なんかにも妙に詳しいよね」「そもそも自分が妖怪か幽霊の類だよね」等々の疑問を投げかけられそうな気がします。
 しかし、怖がりであることとこわいものに詳しいということとは決して矛盾する事柄ではありません。
 得体の知れぬものを恐れるからこそ、理解することによってその恐怖から逃れようと思い、各種文献を調べて結果として詳しくなるのです。
 怪談を聞いて妖怪に怯えたからこそ、各地の民話を紐解き歴史を調査し概念を把握しようとしたのです。
 おどろおどろしい事件の記録に怯えたからこそ、同種の事件を調べ事件の概要や有識者の談話を集めたのです。
 知識の収集は未知なるものへの怯懦の顕れ、それを克服するための手段なのです。
(ありかたが人間離れしているという評価をいただく原因はよくわかりません。せっかくですので、肝試しの際には是非ご用命ください)

 ことほどさように怖がりな私が、今「ひぐらしのなく頃に」というゲームで遊んでいます。
 夏休みに秋葉原で見かけ、こわいとの評判だけれどどうかなあ、面白いらしいし完結編が出たらしいし、絵もあまりこわくはない感じだしなあ、と悩んだ挙句に購入したものです。

 ひとりで遊ぶには抵抗があったので、そのときに同行していただいていた方付き添いのもと、端末を借りて遊んでみることに。
 で、このくらいならそれほどこわくはないと判断。
 旅行を終えて家に帰り、ひとりの部屋で本格的に遊び始めました。

 「鬼隠し編」を終えた時点で、恐怖のあまり一旦投げ出しました。

 このゲーム、シナリオの前半は平穏な日常の描写が続くのですが、後半でそれが一気に凄惨な場面へと反転するのです。
 推理小説も恐怖小説も随分読んで慣れているつもりの自分でしたが、ゲームという形式だと読む速度が制限されること、視覚、聴覚の刺激を併せて受けるということが影響してか、いつになく怯えてしまいました。おはぎこわいおはぎこわいおはぎこわい。
 推理ものということで、いくつかの謎が提示されて終わります。

 こわいのでもう二度とやるまいと思いもしましたが、すこし経つとその謎の中身が気になってきました。
 既にひとつのシナリオを読み終えてこのゲームの形式にも慣れたところですし、もう以前のように動揺することもないでしょうと考え、第二話にあたる「綿流し編」を開始。

 やはり前半は退屈なくらいの平和な展開。
 その中にもメイド服を着てどうのこうのというような妙に業の深そうな単語が出てくるのに戦慄しつつ、のんびりと読み進めるうちふたたび惨たらしい事件が。

 ある場面で恐ろしさに耐えかね中断、休日の真昼間に再開してどうにか終了。
 で、今は第三話にあたる「祟殺し編」を遊んでいます。
 もはやこわいから途中でやめようという気にはなれませんでした。

 気付いてしまったのです。
 このゲームが謎解きの形式を採っている以上、最後までこのおはなしを読まない限りは、どうやっても得体の知れない不気味さが胸に残ってしまうのだと。
 このこわさを克服するには、ともかく完結している全話を読みきってしまうよりないのだと。

「ひぐらしのなく頃に」は出題編四編、解答編四編、計八編のシナリオで構成されたおはなしです。
 あといくつの不気味な物語を読まなければならぬのかと思うと、空恐ろしく感じなくもありません。
 だけれど、読まずにおくのはもっと恐ろしいことですから。

 かくして臆病な私は、今日もまた惨劇に挑みます。
posted by にくす at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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