2008年06月25日

警察との対峙

 警察署にて、警察官の方に理不尽に怒鳴りつけられました。

 後述しますが、お約束がありますので詳細は記せません。
 別段悪いことをしたわけではありません。
 例えるなら、深夜に貴重品の入った青い鞄を拾い、持ち主の方はお困りでしょうと思い警察署に届けたら
「自分は青が嫌いなのに、なぜこんなものを持ってくるんだ!嫌がらせか!あと夜中に来るな、眠いのに!」
 というくらいの不可解な罵声を浴びせられた、というような状態です。

 私は実に柔弱な人間ですので、深夜にひとり警察署の中で屈強な警察官の方に囲まれ、道理の通らない怒声を受けるという状況に置かれては
「これはおそろしい」
 とふるふる怯えるよりほかなく、ともかくここは私のやるべきことをやらねばと、丁寧にこちらの持っている情報をお伝えし、その件に関する処理をきちんとお願いし、家に帰って該当警察署の情報を調べ、「ご相談窓口」という場所まで
「こんなことがありました」
 とご報告のメールを入れました。

 その際、警察署のサイトには「メールには連絡先を明記してください、メールでの返信はできません」とありましたので、携帯電話の番号を記しておいたのです。
 そうしたら次の日、見知らぬ携帯電話の番号から電話がかかってきました。

『もしもし、**(本名)さんの携帯ですか?』
「はい、私です」
『こちら**警察署の**と申します、あのですねー』
「メールを差し上げた件でのお電話ですか?」
『はい、こちらでですね、その、まあ、恐怖感を覚える対応を受けたということで』
「ええ」
『まあ、本人に確認しましたところ、全然そういう、脅かすようなつもりはなかったと。ただまああの日は他に丁度重大事件が発生しておりましてね、若干ばたばたしていて、ちょっと口調が丁寧でなかったことはあるかもしれないと。そういう状況なんです?』

 口調とかそういう問題ではなかったような気がしますが、ともかく先方の認識は「特に問題のある対応はしていない」というもののようです。

「はあ。ではあれはあの日のやむを得ない事情によるもので、普段からああいう応対をされているわけではないんですね?」
『いや、あのですねー、警察に来られることはあまりないんですか?』
「ほとんど初めてです」
『警察というのはね、どうしてもまあ、物騒な事件とかにも多く関わる関係で、普段から結構ああいう、強い口調でのやりとりが多いんですよ』

 要約すると「警察ではこのくらいの暴言、よくあることなんだからいちいち騒ぐんじゃありません」ということのようです。

「悪いことをしていない人間を怒鳴りつけるのが『よくあること』なのですか?それでは怖くてご相談にも行けません。警察官が恐ろしくて警察署を訪れられない、何かあったときに頼りにできない、というのは極めて異常な事態だと思うのですが」
『いや、まあ、それはね、もちろん申し訳ありませんでしたし、恐ろしい思いもされたでしょうし、今後もう少し応対、言葉遣いに気をつけるよう指導を徹底いたしますので、それでご納得いただけませんか』
「うーん、警察の方も施設の性質上なかなかいつもにこにこしてはいられないのでしょう、大変なのでしょうとは思うのですが、やはりこういうことがあるとおそろしくて」
『はい、ですからね、まあ仕方のない部分もあることで、はじめての方はびっくりされるとは思うんですが』

 「申し訳ない」という言葉はいかにも台本を読んでいるようで、早く電話を切りたい、とりあえず頭を下げてこの件を片付けたい、という気持ちが伺えました。
 「指導を徹底」というのもこの分だと期待できないなあ、と思わせられました。
 しかしながら、このままいくらこの方とお話ししてもこれ以上の回答は引き出せそうにありません。

『あ、あとですね、この電話は私個人の携帯からかけているんですが、これは警察署からお電話して、着信履歴で折り返していただいても組織の構成上どこに繋がるかわからないんですね。で、混乱するのを防ぐために携帯からかけたと、そういう事情ですので』
「そうなんですかー」

 携帯電話の番号を見て一瞬、電話でなにか失言があったとしても「あれは職員個人が勝手に言ったことだから」と言い逃れるための携帯電話使用かと思ったのですが、どうやらそれは私の勘ぐりすぎであったようです。
 疑い深い自分をすこし恥じました。

 まあ、お送りしたメールに対しお返事をくださいました。
 一応、今後は「指導を徹底」するとのお言葉もいただきました。
 となれば私はここで納得するしかないのでしょう。

 私はただ、他に警察署に行かれる方が同じようにおそろしい思いをせずに済めばよいのです。
 警察署が安心して訪れられる場所になってくれればそれでよいのです。
 そのために私がやるべきこと、ここでこの方にお願いしておくべきことは。

「わざわざのお電話、どうもありがとうございました」
『いえいえ』
「ところで、今回のことを全部インターネットに公開しても構いませんか?」
『え?……いや、それはちょっと』
「こういうことが『よくあること』なら、はじめて警察署を訪れる方が驚かれることのないように、『警察署に行ったらこういう対応がありました』というのを色々な方にお知らせしておくとよいかと思ったんですが」
『いや、それはほんとうに、勘弁してください』

 ここで電話の向こうの声がはじめて真剣さを帯びました。

『今回のことは申し訳ありませんでしたし、確かに恐ろしい思いをさせてしまうようなことがあってはいけませんし、窓口部署への指導を徹底いたしますので、どうかひとつ今回は穏便に』

 あったことをそのまま書くだけでどうして「穏便でない」事態になるのか不思議ですが、まあ、そのように思われる方もおられるのでしょう。
 ここですこし、この方がきちんとこの件について対応してくださる可能性を感じ取れました。

「ええ、もちろん私も色々な方が警察署に行くのを躊躇ってしまうような状態をつくるのは本意ではありませんし、そう仰るのでしたらやめておきますね」
『はい、ネットとかはもう本当にね、どうぞ穏便にお願いします』
「もうこういうことがないのなら、他に嫌な、不当に怖い思いをされる方がでないようにしてくださるなら、それで安心できますので。警察の方もいろいろ大変だと思うのですが、対応マニュアル等の作成もご検討の上、警察署を安心して訪ねられる場所にしていただければ幸いです」

 そうお願いして、電話を終えました。

 私は何よりもお約束を大事にする性質です。
 ですので今回の件について、「全部を」書くことはできません。
 よって細部をぼかし、例え話なども交え、部分を書くに留めました。
 先方が「今後同様の事例が発生しないよう指導を徹底する」というお約束を履行してくださるなら、何ら困ることのない情報しか記述しておりません。

 きっと今後はもう、普通のひとが警察署に行って不当に怒鳴られるようなことは起きないはずです。
 みなさま、どうぞ安心して警察署をお訪ねください。
 そこにおられるのは、市民の生活の平和と安全のために日夜尽力してくださっている方々です。

 そのはずです。


 それはそうと交渉の際には
「相手が自分の要求を聞かざるを得なくなるには何をすればよいか」
 闘争の際には
「相手が何をされれば最も嫌がるか」
 を考えることが重要だと学んでおります。
 結果として立ち現れるのがどれだけ酷薄な手段であっても、万人の幸福のために、あるいは自分の生存のために必要なら、躊躇なくそれを選ぶべきだと学習してきました。

 でも、好いた方にはなかなかそのように対応できません。
posted by にくす at 03:06| Comment(5) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大昔、仕事で県内のあっちこっちの警察署(交通課)に、よく行く機会がありました。
結局の所、担当の人柄が全てと言ってしまえばそれまでのことなのですが、
酷い警官に当たると、まあ大変でした。
中にはいい人もいて、ありがたかったこともありましたが、
総じて良い対応とは言い難かったように思います。
自宅の辺りを管轄する交番の警官の方は、概ね印象を持っているのですが、
転勤とかしているはずだから、変な人が来ちゃうと、これまた大変だなぁ。

今回の件ですが、電話対応に誠実さが足りなかったのは、
苦情を処理したということを記録に残すために行ったからなのかな?。
(電話をした、相手に納得させた、よってクレーム処理は滞りなく終了と、
記録簿か何かにちゃちゃっと記入することがお仕事なのかな?と)
ところがネットで公開され、これが騒ぎになるマズイ!ということで態度が急変。
いや〜、ネットの力は偉大ですね。

とにかくお疲れさまでした。
取りあえず、今後、警察に伺うときは、MP3プレイヤーで録音しようと思います。
(録音しているのが見つかったら怒られるのかな?(^^;)
Posted by サラ、マニアッス00 at 2008年06月26日 22:54
電話の緊迫感が伝わってくるようです。
私だったら、とてもこんなやりとり出来ない。
お疲れ様でした。頭が下がります!!!

男性に怒鳴られる、というのは
どういう状況であれ、恐ろしいもの。
しかも相手は警察。しかも囲みって、ありえへんわ。
世の中にはそういう理不尽な場所があるのね。
避けて生きてきたけど、出くわす場合もあるんだな。

ネットに公開、の下りで一気に形勢逆転。
スカッとしました。
やっぱり自分の意見を通すには、
そういうテクニックというか、技がいるんだよね。
私は好きな人には出来るけど、
対社会には出来まへん(−_−;)
Posted by lily at 2008年06月27日 23:34
電話の緊迫感が伝わってくるようです。
私だったら、とてもこんなやりとり出来ない。
お疲れ様でした。頭が下がります!!!

男性に怒鳴られる、というのは
どういう状況であれ、恐ろしいもの。
しかも相手は警察。しかも囲みって、ありえへんわ。
世の中にはそういう理不尽な場所があるのね。
避けて生きてきたけど、出くわす場合もあるんだな。

ネットに公開、の下りで一気に形勢逆転。
スカッとしました。
やっぱり自分の意見を通すには、
そういうテクニックというか、技がいるんだよね。
私は好きな人には出来るけど、
対社会には出来まへん(−_−;)
Posted by lily at 2008年06月28日 00:03
二重投稿になっちゃった〜!
ゴメンナサイ(><)
Posted by lily at 2008年06月28日 00:13
 お二人とも、コメントありがとうございました。
 ひとりで組織、しかも警察に対峙するという体験でしたので、なんだか随分心細くて。
 ねぎらいの声をいただけて、自分はひとりではないのだ、やっぱりあれは苦情申し立てをしてよい場面だったのだと安心できました。

 この件で私が一番怖かったのは、
「多分警察の方には全く悪気がない」
 ことでした。
 怒鳴られているときも、私に対する悪意や敵意は感じませんでした。
 ただ相手を萎縮させ、従順な状態に置くことで作業を早く片付けようとしているのかなあ、そしてそれが「最も合理的なやり方」だと思っているのかなあ、くらいの印象です。

 だからおそろしかったのです。
 おそらくはこれが理不尽な振る舞いであるという意識もなく、挨拶をするような気軽さで怒鳴っているひとたちです。
 こちらの出方によっては、悪気のないまま暴力さえ振るいかねないと思いました。

 電話応対の方もそういう論理の中におられたようで、
「何が悪かったの?」
「応対した人間も悪気はなかったみたいだよ?」
「こういうのは日常茶飯事なんだよ?」
 そんな感じでした。

 それでも、ネットへの公表を申し出た途端に応対の様子が変わったということは
「自分たちの常識は、公表して市民の理解を得られるものではない」
 ことはご存じだったのだと思います。

 多分組織の中の常識に染まってしまうと、外からの視線に鈍感になってしまうのでしょう。

 それはあまりよいことではないので、理不尽を理不尽のままにしておかないために、できることはなるたけ全部やろうと思いました。
 幸い今はネットで自分の意見を発信することができます。
 録音機器も豊富で、あったことを客観的な記録として残すことは可能です。

 意地悪をするのではなく、
「多くのひとにとっていちばんよい状態を齎すためには何をなすべきか」
 と考えて動くと、案外胸を張って色々なものに対処できるものだなあと思いました。
Posted by にくす at 2008年07月12日 04:24
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