2009年02月23日

バレンタインの勇気

 今年のバレンタインデーは、お菓子作りに挑戦しました。

 やはりある程度の社会性をもって生きていこうと思えば、便乗したほうが政治的に好ましいイベントというのもあろうかと思ったのです。
 あまり器用なほうではありませんが、簡単なお菓子作りであればそう大きな悲劇は生まれまいと思ったのです。

 そういうわけで、作ってみました。
 家族に試食してもらいます。

「はい、おやつ。どうぞ」
「わあ、これは、ええとこれは、何?」
「とりあえず、見た目はマドレーヌ」
「見た目はって……」
「まあ、害のあるものは入れていません、ご安心を」
「うーん、いただきます……ああ、クッキーだったんだ」
「クッキー?……ああ、なるほど、堅い」
「まあ、おいしいよね。堅いけど」
「堅くなる予定はなかったのだけれど」
「あれ、これ、クッキーじゃなかったの?というかこれ、何なの?」
「予定ではカップケーキができるはずでした」
「……確かにクッキーじゃない感じだけれど、かといってこれはマドレーヌでもないけれど、つまりなんだかわからないけれど、多分これ、カップケーキではないよ?」
「おかしいなあ、どこかで全く異質のものに変貌してしまった」

 ときどき私の料理は錬金術のようなことになります。

「ところでこれは、今年も各所からチョコレートをいただいたから、お礼にと思って作ったものなのだけれど」
「これ、ひとにあげるの?」
「うん、でもこれ、ひとに差し上げてよいものだと思う?」
「……頑張れば食べられる、かな」
「頑張りを要求する時点で、贈り物だか暴力だかわからなくなってしまうなあ」

 そういうわけですので、今年のバレンタインデーに私から何も贈り物がなかったとしょんぼりしていらっしゃる方におかれましては、何もなかったことがむしろ僥倖であったのだとご理解ください。
 贈り物をすることよりしないほうが優しさになることもあるのだと思います。
 手作りしたなにかをあえてお渡ししない勇気。

 なお、作ったなにかは概ね自分のおやつにしました。
 あごが丈夫になった気がします。
posted by にくす at 21:03| Comment(4) | TrackBack(0) | たべもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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